「あなたはストレスのある状況は好きですか?」みたいに聞かれて好きだと思える人はあんまりいないでしょう。
そういった状況が返って好きな人もいるとは思いますが、多数派はやはり「可能であればストレスは減らしたい、なんならゼロにしたい!」っていう人たちなのではないでしょうか。
最近流行りのFIREなんかも、そこの流れに関連したものなのかと思います。
まあ僕もストレスは嫌ですしね。
ただ一概に「ストレスは悪」と決めつけられるのかというと、そうでもないんじゃないのかと思うところもあり。
ストレスについて知るべく、色々調べたり勉強してみたりしたことを、何回かに分けてご紹介ご紹介できればと思います。
ストレスの定義とは?
ここで、「そもそもストレスの定義って?」というところから。
考え方としては色々あるのかもしれませんが、先述の「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」では、以下のように紹介されています。
自分の大切なものが脅かされた時に感じるもの
(参照:「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」)
自分の時間とか価値観かもしれないし、周りの誰かに対して感じるものかもしれないし、例えば運動した時に起こるストレス反応も、体が一時的な脅威を感じて起こるものだったり。
こうしてみると、一概にストレスといったも、結構幅がありそうです。
ストレスは完全に取り除くべき悪なのか?
ストレス過多になる事で、場合によってはうつ病につながったり、他の病気になったり。
実際ストレスにより脳卒中や心筋梗塞といった病気での死亡リスクが上がるというデータもあるようです。
日本人男女73,424人を自覚的ストレスの程度によって分け、その後約8年間経過観察した結果、高ストレス群では低ストレス群に比べて、脳卒中で亡くなるリスクが女性で約2倍、心筋梗塞で亡くなるリスクが女性で約2.7倍、男性で約1.6倍であることが報告されました(Iso Hら, 米国Circulation誌, 2002年)。
ストレスは血圧を上昇させたり、血液を固まらせやすくしたりすることで、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくすると考えられています。
(参照:もっと詳しく|ストレス|生活習慣編|気になる病気・健康のこと|大阪がん循環器病予防センター)
少なくも「ストレスは全面的に善なるものだ!」みたいな事はなさそうではあります。
しかし、「ストレスは完全に生活から取り除くべき」かというと、どうと微妙なようです。
例えば「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」では、次のような調査結果が紹介されています。
したがって総体的な繁栄度を評価した場合、その世論調査でもっとも幸福な人たちは、ストレスのない人たちではありませんでした。
もっとも幸福な人たちは、大きなストレスを感じていながらも、精神的に落ち込んでいない人たちだったのです。
(参考「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」)
他にも退職後はそれ以前に比べてうつ病になるリスクが40%上がる、みたいなデータもあったり。
ストレスが全くないからといって、幸せなのかとか健康なのかというとそうでもないみたいです。
良い面も悪い面もあるという事ですね。
「ストレスは完全に取り除くべき悪だ」というと、これも違うようです。
じゃあそんな「良いストレス」と「悪いストレス」にはどんな違いがあるのでしょうか。
ストレスの種類①:慢性ストレス
一つ目は「慢性ストレス」と言われるものです。
その名の通り、慢性的にストレス状態が続くことを指しています。
例えば、
- 毎日残業続きで疲弊している
- 身近な人との人間関係がうまく行っていない
みたいな、ストレスのかかる状況が長期的に続くような状態だと、「慢性ストレスのある」ということが言えそうです。
この状況だと常に交換神経が活発で、ストレスホルモンのコルチゾールが慢性的に分泌され、その結果体内の炎症が慢性化する状態とのこと。
よく言われるストレスの悪影響は、この慢性ストレスに原因がありそうです。
ストレスの種類②:急性ストレス
もう一つは「急性ストレス」と言われるものです。
これは一時的に感じるストレスの事で、例えば
- 運動の後に起こる体のストレス反応
- 大事なプレゼンに挑むときの心境
みたいなものが該当しそうです。
こういったストレスをどう考えるかにもよりますが、ストレスホルモンの中でもコルチゾールではなく、人とのつながりを深めるオキシトシンや、コルチゾールを抑えたり免疫機能を高めるデヒドロエピアンドロステロンの分泌が高まりやすくなります。
ストレスといっても、一時的なストレスであれば、良い効果を生みそうです。
最も急性ストレスもあまりに強くなりすぎたり連続しすぎたりしてしまうと、それは慢性ストレスに繋がっていくかと思うのでその辺は注意が必要かと思いますが。
そんな感じで、まずはストレスといっても色んな種類があり、毒になるものも薬になるものもあるんだよというお話しでした。
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