「睡眠とは最強の味方であり、敵に回すと最悪な恐ろしい相手」
これは私が長年にわたる研究を通じて得た実感である。
1日24時間のうち、大きな部分を占める睡眠を味方にできるか敵に回すかで、人生は大きく変わるー膨大な数の「睡眠の悩み」と向き合う中で、幾度となくそう思い知らされてきた。
また、研究すればするほど痛感させられる。
仕事を含めた日中のパフォーマンスは、睡眠にかかっている。
夜な夜な訪れる人生の3分の1の時間が、残りの3分の2も決めるのだ。
出典『スタンフォード式 最高の睡眠』
閲覧ありがとうございます!
睡眠不足が社会問題になっていると言われている現代の日本。
「日本人の睡眠偏差値は低い」
「生産性の低さは睡眠不足が原因だ」
上記のような話を、皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
実際に周りを見渡してみても、寝不足の中で何とか頑張っている人、中々疲れが取れずに悩んでいる人、何よりこの記事を見ている皆さん自身にも、こういった睡眠の問題に心当たりがある人もいるのではないでしょうか。
そんな「睡眠」の専門家である西野さんにより、睡眠の問題を解決すべく書かれたのがこの『スタンフォード式 最高の睡眠』です。
割と有名な本ではありますが、改めて皆さんにもご紹介出来ればと思います!
また、このブログ記事では本の内容の一部のみをご紹介しているので、ご興味のある方は是非本書を読んでみてください!
この本は以下のような人におすすめです!
- 日頃の疲れが中々取れなくて辛い
- ぼーっとして仕事や勉強などに集中できない、頭が回らない
- 日中眠くて仕方がない
また、今後も以下のような人に向けて本要約の記事を上げていきます!
- どんな内容の本なのか簡単に知りたい
- 内容を見てから買うかどうか決めたい
- 何か面白そうな本がないか探している
著者の紹介
著者の西野精治さんは、米国スタンフォード大学医学部精神科教授であり、同大学の睡眠整体リズム研究所(SCNラボ)の所長を務められています。
また、2019年には睡眠に特化した事業を展開する株式会社ブレインスリープを設立し、同社代表として、睡眠の社会問題の解決のため活動されています。
睡眠研究の総本山とも呼ばれるスタンフォードで、30年近くに渡り睡眠を研究してきた西野さんの知見から、「あなたの睡眠を、あなた史上最高にする」ことを目的として書かれた本がこの本です。
では、「自分史上最高の睡眠」を手に入れるために私たちは何をすべきなのでしょうか?
次からその内容の一部分をご紹介していきたいと思います!
【本書の前提】最高の睡眠とは?
本のタイトルでもある「最高の睡眠」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
本書ではこの「最高の睡眠」を
- 「脳・体・精神」を最高のコンディションに整える、「究極的に質の高まった睡眠」
として定義付けています。
睡眠の問題を考える時に、どうしても定量的にもわかりやすい睡眠時間の方に目がいってしまいがちです。
しかし忙しい現代人にとって、睡眠の量を劇的に増やすことは難しい場合も多いでしょう。
そもそも睡眠の量を増やすだけでは、睡眠にまつわる問題は解決しないと言われています。
なぜなら、睡眠の質を高めない事には、心身のコンディションが整わず、日中に十分なパフォーマンスを発揮することは出来ないからです。
眠っている間の人間の体の中では、朝起きた時にベストな状態になるよう、自律神経や脳内化学物質、ホルモンが働いています。
睡眠の質を高めることでこれらの働きをより良いものにし、日中に高いパフォーマンスを発揮することにつながります。
逆に睡眠の質が低いと、十分に心身のコンディションを整えることが出来ず、「昼間の眠気が強い」「頭がスッキリしない」「ミスが多い」といったことが起こります(これらの症状を感じているのであれば、睡眠の質を改善する余地があるという事になります)。
つまり、睡眠の問題を解決するには、睡眠の質を高めることを考えていく必要があります。
では、睡眠の質を高めるには具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。
その最重要ポイントとも言われる、「黄金の90分」というものをご紹介していきます!
- 睡眠で重要なのは、睡眠の「量」だでけはない。
- 睡眠の「質」を究極的に高めることで、心身のコンディションを整える「最高の睡眠」を手に入れれることができる。
- 忙しい現代人にとって睡眠の「量」を増やすことは難しくても、睡眠の「質」を高めることはできる!
「黄金の90分」が睡眠の質を決める
「黄金の90分」とは?
人間の眠りには一定の法則があります。
入眠からまず最初の約70分〜90分の間でノンレム睡眠が続き、その後最初のレム睡眠が現れます。
レム睡眠の終わりで眠りの「第1周期」が完結し、ノンレム睡眠+レム睡眠(合わせて約90分〜120分)のスリープサイクルを数回(例えば6〜7時間の眠りの場合であれば計4回ほど)繰り返していく形です。
本書では、眠り始めの90分を「黄金の90分」と言っています。
そして、睡眠の質はこの「黄金の90分」で決まると言われています。
「8時間寝たのに眠い人」と「6時間寝てスッキリした人」は何が違うのか?
ノンレム睡眠は第1周期が一番深く、その後起床が近づくにつれて段々浅くなっていくという性質があります。
つまり、「黄金の90分」をいかに深く眠れるかという点が、睡眠全体の質を決めているという事です。
最初のノンレム睡眠が崩れてしまうと、残りの睡眠も総崩れになってしまいます。
6時間睡眠の人と8時間睡眠の人とでも、最初の90分の質次第では、6時間睡眠の人の方がスッキリしていることもありうるともされています。
逆に言えば、「黄金の90分」をしっかり眠ることが出来さえすれば、
- 自律神経が整うことでメンタルが安定する
- 成長ホルモンが分泌されることでアンチエイジング効果を得られる
- 脳のコンディションが整い日中に高いパフォーマンスを発揮できる
といった、睡眠によるメリットを十分に得ることが出来るということになります。
- 人間の睡眠は一定の周期を繰り返している。
- 睡眠の第一周期である「黄金の90分」が、睡眠全体の質を決める!
- 「黄金の90分」を良いものにできれば、睡眠のメリットを十分に得ることが出来る。
「黄金の90分」を深く眠るためには何が必要なのか?
「黄金の90分」を良いものにするためのベストな方法は、毎日同じ時間に起きて、毎日同じ時間に寝ることだとされています。
毎日の規則正しい睡眠が、睡眠の質を高め、心身のコンディションを最高に整えてくれるのです。
しかし、実際のところ「規則正しい睡眠なんて現実的じゃない!」という人も多いのではないでしょうか。
急な仕事があったり、友人や恋人、家族との予定があったり、様々な事情があると思います。
では、他に考えられる方法はないのでしょうか?
本書では、忙しくて中々睡眠時間を固定することが出来ない人でも出来る、「黄金の90分」の質を高める方法が紹介されています。
その中の一部をご紹介します!
「光」と「体温」をコントロールする
「光」によりメラトニンの分泌が左右される
光のコントロールで留意すべきことは、「メラトニンの分泌を妨げてしまう行動を避ける」ことにつきます。
眠気を感じているとき、人間の体には何が起きているのでしょうか。
人間の体の中では眠りを促す「メラトニン」がというホルモンが分泌されています。
メラトニンは朝は光によって分泌が抑制され、夜になると自然と分泌が促される仕組みになっています。
メラトニンの働きによって、夜になると眠くなり、私たちは眠りにつくことが出来るのです。
しかし、夜に強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
メラトニンの分泌が抑制されてしまうと、なかなか寝付けなくなったり、睡眠の質を下げてしまう恐れがあります。
強い光とは、例えば以下のようなものです。
- PCやスマホが発する「ブルーライト」
- コンビニや部屋などにある、強い光を放つ「照明」
そのため、夜にはなるべく強い光を浴びないようにすることが重要です。
対策としては、例えば以下のようなものでしょうか。
■ブルーライトの対策
- スマホのブルーライトカット機能付き保護フィルムを使用する
- ブルーライトカットレンズの入ったメガネを使用する
- スマホの「ナイトシフト」や「カラーフィルター」機能を使用する
■照明の対策
- 強い光を発する場所(コンビニなど)へは、眠る数時間前になったら近づかない
- 部屋の照明には、暖色の電球や間接照明を使用する
ブルーライトについては、もちろんスマホやPCを見ないに越したことはないです。
が、中々難しいとも思うので、それ以外に現実に出来るとすれば上記のようなものでしょうか。
ブルーライトカット効果のある保護フィルムは下記のようなものがおすすめです!
- 「メラトニン」というホルモンが体内で分泌されることで、眠気が促され、眠ることができる。
- 「メラトニン」は光の量で分泌量がコントロールされている。
- 通常は夜に暗くなることで自然と「メラトニン」の分泌量が多くなる。しかしブルーライトの刺激が「メラトニン」の分泌を妨げてしまうため、対策が必要。
「皮膚温度」と「深部体温」の差が縮まることで深く眠れる
もう一つのポイントは体温のコントロールです。
人間の体温には「皮膚温度」「深部体温」の2種類があります。
眠っている時には、深部体温が下がり、皮膚温度は上がっているということがわかっています。
皮膚温度が上がることで、体の熱が放散され、深部体温が下がるのです。
こうして皮膚温度と深部体温の差が縮まることにより、人間は眠くなっていきます。
では、どうすれば皮膚温度と深部体温の差を縮める事が出来るのでしょうか。
そのための具体的な方法が「入浴」です。
人間には、深部体温が一時的に上がると、その分だけ下がるという性質があります。
つまり、深部体温を一時的に大きく上げることが出来れば、その分だけ深部体温が下がることで皮膚温度と深部体温の差が縮まり、眠気を促すことが出来ると言う事です。
本書で紹介されている研究によると、40度のお湯に15分浸ることで、深部体温が一時的に0.5度上がるそうです。
そして、90分後に深部体温が元に戻っていきます。
つまり、以下のようにすることで、スムーズに入眠できるようになり、睡眠の質を上げる事が出来るのです。
- 40度のお湯で15分間入浴する
- 入浴の90分前までに入浴を済ませる
ちなみにお湯がぬるすぎると深部体温があまり上がらず、暑すぎると長く入浴出来ないのでこちらも深部体温が上がらないとも言われているようです。
なので、この辺りは、色々試してみて自分なりのベストを見つけるのがいいのではないでしょうか。
また、どうしても入浴の時間が取れない人は、シャワーでも一定の効果があるようです。
ただし深部体温は入浴ほど上がらないので、入浴と比べると効果は下がるようですが、、
一方で、深部体温の上がり幅が少ないほど元に戻るまでの時間もかからないので、時短のメリットはあります。
どうしても「寝る90分前に入浴を済ませるなんて無理」という人は、シャワーで済ませてしまうという事も考えられるのではないでしょうか。
仕事などでどんなに疲れていても、そのまま眠ったりはせず、せめてシャワーだけでも浴びて眠りにつくようにしましょう!
僕もたまにやってしまうので気をつけます!笑
- 「皮膚温度」と「深部体温」の差が縮まるとき、眠気が促される。
- 「入浴」により、「皮膚温度」と「深部体温」の差を縮めることが出来る。
- ベストな入浴は、「①睡眠の90分前に②40度前後のお湯で③15分前後」の入浴をすること。難しいときは、シャワーを浴びるだけでも一定の効果がある。
まとめ
今回は西野精治さんの著書、『スタンフォード式 最高の睡眠』の一部をご紹介しました。
ざっくりまとめると以下のような形です。
- 睡眠の問題を解決するには、「量」だけではなく「質」を改善する必要がある。
- 「黄金の90分」をしっかり眠れるかどうかが、睡眠の質全体を決めている。
- 「黄金の90分」をしっかり眠るためには、以下の方法が考えられる。
- 夜間の強い光を避け、メラトニンの分泌を邪魔しないようにする
- 入浴か、少なくともシャワーを浴びることで、皮膚温度と深部体温の差を縮める
また、この記事では全てを紹介することは出来ませんでしたが、本書では他にも
- 睡眠についての基礎知識
- 睡眠の質を高めるための日中の覚醒戦略(「良い覚醒」⇄「良い睡眠」の好循環を作る方法)
- 目先で起こる眠気対策
などが書かれています。
この記事では書ききれなかった「黄金の90分」をより良いものにする方法もあります。
皆さんの生活をより良いものにしてくれる内容がたくさんあるので、ぜひ読んでみてください!
ちなみに、この本で書かれていることを実際に試してみたのですが、色々と効果がありました。
同じ時期に食事や運動習慣も見直したりしたので、睡眠の効果だけではないかもしれないのですが、、
それについては以下の記事にまとめていますので、もし今日があればこちらもご覧ください。
今日はこの辺りで。
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