【要約】ハッピーエンドから逆算した今を生きるー『人生は20代で決まる/著:メグジェイ』

価値観/キャリア

二○代の一○年間では少し方向を変えるだけで、三○代以後の着陸場所に大きな変化をもたらします。

二○代は空中を飛んでいる状態であり、嵐に逢う事もあるでしょうが、操縦の仕方を僅かに変えるだけで、人生におけるほかのどの段階よりもより遠く、より早く目標に到達できるのです。

二○代は人生のかなめの時です。

行動したこと、行動しなかったことが将来、もしかして何世代にもわたり、強大な影響力を持つでしょう。

さあ、そろそろ先に進みましょう。

いまこそ、その時です。

出典:『人生は20代で決まる』

閲覧ありがとうございます!

この先の人生をどう生きるか?どう生きたいか?

こういった質問に対して、明確に答えられる人がどれだけいるでしょうか。

  • 「将来の事をちゃんと考えなきゃと思うけど、どう考えればいいか分からない。」
  • 「将来について不安はあるけど、よく分からないし、きっといつかやりたい事が見つかるから大丈夫。」
  • 「結婚や仕事のことは後で考えればいい。それよりとにかく今を楽しみたい。」

「将来の事を考えろ」とか言われても正直よく分からないし、目の前の事もあるし、何となく先延ばししてしまいますよね。

今の時代、ライフスタイルの変化や医療の発達、働き方や遊びの多様化により、あらゆるものが昔よりも遅くなっていると言われています。

結婚や出産、死さえも。

加えて、例えば人生の先輩方から、こんな風に言われたことがある人も多いのではないでしょうか。

  • 「若い内に遊べるだけ遊びなさい」
  • 「若い時は2度と来ない。今のうちに楽しむだけ楽しんだ方がいい」

人生の先輩方の言うことは説得力を持ちます。

上のようなことを言われて、

  • 「とにかく今は目の前のことを楽しもう、頑張ろう」

そうやって考えて日々を過ごしている人もいるでしょう。

しかし、それはどこまで本当なのでしょうか?

もし違うのであれば、私たちはいったい何を信じればいいのでしょうか?

何を考え、どう行動すれば良いのでしょうか?

そんな問いに答えてくれるのが、メグ・ジェイさんの著書『人生は20代で決まる』です。

12カ国で翻訳され、20万部超のベストセラーになっています。

20代だけでなく、もっと若い人も30代以上の人も、これからの人生を考えていきたい全ての人におすすめです!

この記事では、その内容の一部をご紹介出来ればと思います。

ボリュームがあり読み切るのは大変ですが、是非読んで欲しい名著です!

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著者の紹介

著者はアメリカの臨床心理学者であるメグ・ジェイさんです。

ヴァージニア大学准教授を務める傍ら、個人カウンセリングも行なっています。

また、TEDの講演者として登壇し、TED Talks「30歳は昔の20歳ではありません」は、累計1,200万回以上再生されています(※2021年11月3日時点)。

ちなみにこの「30歳は昔の20歳ではありません」の中で、『人生は20代で決まる』にも書かれている内容が簡単に語られています。

著書の一部抜粋のような形ですが、ざっくり内容を知る事ができるので、まずはこちらを観てみるのもおすすめです!

※下記から直接再生すると英語のみになってしまいますが、TEDのWebページから再生すると日本語字幕付きで観ることが出来ます。

https://www.ted.com/talks/meg_jay_why_30_is_not_the_new_20?language=ja#t-13188

臨床心理学者としての知見や、20代の人々にカウンセリングを行ってきた豊富な経験から書かれたのが『人生は20代で決まる』です。

本の概要

『人生は20代で決まる』は、「仕事・恋愛・脳と身体」の観点において、20代の間に考えるべきこと、行動すべきことが書かれています。

メグ・ジェイさんがカウンセリングを通じて出会った実際の20代のエピソードと、調査研究に基づいた科学的根拠を交えて論理的に述べられています。

本書は以下の章で構成されています。

  • 序章:【今を生きる】
  • 第1部:【仕事】
    • 1章:【アイデンティティ・キャピタル】
    • 2章:【ゆるい繋がりこそ大事】
    • 3章:【潜在意識に耳を傾ける】
    • 4章:【Facebookの嘘】
    • 5章:【カスタムメイドの人生を作る】
  • 第2部:【恋愛】
    • 6章:【結婚を真面目に考える】
    • 7章:【家族選び】
    • 8章:【同棲は得?それとも損?】
    • 9章:【釣り合わない相手との付き合い】
    • 10章:【似たもの同士】
  • 第3部:【脳と身体】
    • 11章:【結果を予測する】
    • 12章:【冷静に、落ち着いて考える】
    • 13章:【自信はどこから生まれる?】
    • 14章:【折り合って、前進する】
    • 15章:【妊娠と出産と不妊の問題】
    • 16章:【ハッピーエンドから逆算して人生を設計する】

それぞれの内容をざっくりまとめると、

■第1部:【仕事】

  • アイデンティティ・キャピタルを築くこと(自分の価値を高めること)。そのためには、自分の潜在意識に耳を傾け、自分の本当に望むものや才能、得意分野を見極め、選択し、それを活かすストーリーを作ること。
  • ゆるいつながりを作っていくこと。人生に違いをもたらしてくれるのは、気の合う仲間ではなく、自分とは違う世界に生きる人たちである。

■第2部:【恋愛】

  • 結婚を真面目に考えること。結婚相手に出会う前に準備を始めるべき。
  • 重要な事柄については妥協せずに自分と合う人を探すべき。重要な事柄とは、パーソナリティーや価値観が極端に違わないこと、しっかりお互い愛し合っていること。
  • 一方で、重要でない事柄にはあまりこだわりすぎないこと。相手との相違を理解して受け入れていくこと。将来的に、相手との相違は人生を新鮮に保つことを助けてくれる。

■第3部:【脳と身体】

  • 20代の時間を無駄にせず生きるためには、仕事や結婚について将来の計画を立てること。
  • 不安やネガティブな感情に折り合いをつけて困難を乗り越える努力をすること、仕事や恋愛、人間関係にしっかり関わろうとすること。そうすることで脳は成長し、ポジティブなパーソナリティーが築かれ、自信も自然とついてくる。

上記のような感じです。

具体的な内容については実際に著書を読んでみてください!

当記事では全てをご紹介することは出来ませんが、

  • なぜ20代の日々が重要な意味を持つのか?
  • 恐らく一番最初にやるべきであろう、「ハッピーエンドから逆算して将来を設計する」こと

この2点をご紹介出来ればと思います!

なぜ20代の日々が重要な意味を持つのか?

20代で築いたものが、30代以降の人生の方向性をあらかた決める

本のタイトルでもある「人生は20代で決まる」が本当であれば、20代で過ごす時間は相当に重要なものです。

20代で過ごす時間は、著書の中で「人生でただ一度の発展のためのスイートスポット」であるされています。

なぜ、それほど20代が重要だとされているのでしょうか。

著書の一部を抜粋してご紹介します。

あなたの二○代の日々は、重要な意味を持っています。

人生をもっとも決定する出来事の八○パーセントは、三五歳までに起こります。

生涯賃金の伸びの三分の二が、キャリア最初の一○年間に起こります。

わたしたちの半数以上が、三○歳までに結婚しているか、だれかと付き合っているか、将来の伴侶と同棲しています。

自分を変えたいなら、パーソナリティは人生のどの時期よりも二○代でいちばん変化します。

脳は二○代で人生最後の成長を遂げます。

出典:『人生は20代で決まる』

過去の調査研究などを基に、著書の中でこのように述べられています。

つまり、「20代で築いた仕事・恋愛関係・パーソナリティーが、30代以降の人生の方向性をあらかた決めてしまう」ため、20代で過ごす時間が重要だとされているのです。

ポイント
  • 20代で何を築くかが、30代以降の人生を大きく左右する。
  • 「今をとにかく楽しむ」だけでなく、将来につながる過ごし方をすることが重要になる。

20代の日々を大切に生きるためには、どのように行動すれば良いのか?

ここからは本書の16章「ハッピーエンドから逆算して人生を設計する」の内容を中心にご紹介します!

「現在バイアス」により将来が見えなくなる

これほど20代が重要なものであるにも関わらず、なぜ将来を考えることを先延ばしにしてしまうのでしょうか。

もちろん、「誰も20代が重要だとは教えてくれない」はあると思いますが、もう一つ考えられる原因として、「現在バイアスに陥ってしまう」ということがあります。

現在バイアスとは、将来より現在の物事の価値をより重要なものと感じてしまうことです。

目の前の誘惑に負けてしまったり、嫌なことを後回しにしてしまったり、というのがイメージしやすいですね。

例えば、下記のようなものです。

  • 後々大変になることはわかりつつも、夏休みの宿題を後回しにしてしまう
  • ダイエット中なのに、目の前にあるお菓子を我慢できずに食べてしまう

これに近い経験をしたことがある方は、結構いるのではないでしょうか。

(僕は宿題は後でまとめてやるタイプだったので耳が痛いです、、)

前者は「後でまとめてやるより、少しずつ宿題を進めた方が楽」、後者は「ダイエットに成功する方が、たった一回美味しいお菓子を食べていい思いをするより満足できる」ということは頭ではわかりつつも、目の前の快楽、あるいは目の前の苦難を避けることの方を優先してしまう傾向があるのです。

加えて、当記事の冒頭に書いたように、

  • 「若い時は二度と来ない。だから、今のうちに遊べるだけ遊びなさい」

こういったことを言われることで、「現在バイアス」がさらに助長されます。

こうして、今を楽しむことがより価値あるものと感じられるので、ついつい将来を考えることを先延ばしにしてしまうのです。

ポイント
  • 人には無意識に将来よりも現在の方が価値が高いと感じてしまう「現在バイアス」を持っている。
  • 「今をとにかく楽しむ!」といった言葉が、「現在バイアス」を助長する。

計画を立てることで、将来がより差し迫ったものになる

では「現在バイアス」から抜け出し、20代の日々を無駄にしないためには、どのように行動をすれば良いのでしょうか。

本書では、まずは「自分の人生における予定表」を作ることが推奨されています

キャリアをいつどうやってスタートされるか、いつ結婚するか、いつ子どもを産むのか、といったことを予定表に落とし込み、それらを実現するためにいつどのように行動するかを計画立てるようなイメージです。

ある程度具体的な予定表を作成することで、やるべきことが見えてくるだけでなく、感覚としても将来をより差し迫った現実的なものと感じることができます。

そうする事で現在バイアスから抜け出し、将来に向けて現実的な行動を取ることができるようになると言うことです。

ポイント
  • 将来を「いつ来るかわからない遠い未来」と感じると「現在バイアス」に陥りやすい
  • 将来の計画を立てることで未来はより近いものになり、「現在バイアス」を抜けやすくなる。

ハッピーエンドから逆算して人生を設計する

いざ予定表を作るといっても、中々イメージが沸かない方もいるかと思います。

そこでやり方としておすすめなのが、最初に理想のハッピーエンドを描くところから始める事です。

本書の中で、ハッピーエンドの人生を描いた小説を多く手掛ける、作家ジョン・アーヴィングさんのコメントが紹介されています。

「わたしはいつも最後の一行から書き始める。

そして物語を始めるべき地点まで逆にプロットをたどっていく」

出典:『人生は20代で決まる』

最後の一行、つまりハッピーエンドを最初に決めてから、そこに導くためのストーリを逆算して小説を書いているのです。

この考え方は小説だけでなく、私たちの人生にも有用なのではないでしょうか。

まずは理想のハッピーエンドを思い描くところから。

そして、そのハッピーエンドを迎えるためには何があればいいのか?

それらを手に入れるため、どのような過程があればいいのか?

そうして人生を逆算して設計することで、理想の人生を生きるためのストーリーを自分自身で描き、そして実現するために動いていくことができるのです。

では、ハッピーエンドを思い描いた後は、具体的に仕事や結婚の中で何を考えていけばよいのでしょうか?

それは、『人生は20代で決まる』の中にたくさん書いてあるので、興味を持った方はぜひ本書を読んでみてください!

そして一通り読んだ後、改めてこう考えるところから始めてみてください。

あなたの物語を締める、最後の一行には何が書いてありますか?

ポイント
  • 将来の計画を立てるときは人生の終わりから逆算して考えるのがいい。
  • 自分がハッピーエンドを迎えられるストーリーを、自分で描いてみよう!

最後に

当記事では『人生は20代で決まる』の16章「ハッピーエンドから逆算して人生を設計する」の内容を中心にご紹介してきました。

  • 仕事やキャリアをどう考えていけばいいのか?
  • 結婚や出産に向けて何を考えればいいのか?
  • 自分の脳や体とどのように向き合っていけばいいのか?

当記事ではご紹介出来ませんでしたが、本書を読むことで上記のようなことを知ることが出来ます。

20代の方、もっと若い方、30代以上の方も、これからの人生を考える上で間違いなく参考になる本だと思うので、興味を持った方はぜひ読んでみてください!

今日はこの辺りで。

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