【要約】『自分を変える方法』ー行動を起こす「ベストタイミング」は存在するのか?

学習/習慣

きっとあなたは、私の知るほとんどの人と同じで、何かの習慣や行動をよい方向に変えたいと思っているだろう。

また、おそらく前にも何度か変えようとしたことがあり、そのたびにこう思ったことだろう。

いまの自分からなりたい自分に変わるのは、どうしてこんなに難しいのだろう、と。

(中略)

よりよい生活を送る秘訣は、欲望も欠点もない超人になることではなく、最新の科学的知識をもとに問題を解決していくことなんだよと、あなたは言って聞かせるだろう。

本書があなたの新たなスタートになるはずだ。

出典:『自分を変える方法ーいやでも体が動いてしまうとてつもなく強力な行動科学』
  • 今年こそはダイエットを成功させたい!
  • 健康のために運動を習慣化したい!
  • 資格をとってキャリアアップしたい!

誰しも大なり小なり、「自分を変えたい!」と思ったことがあるでしょう。

やりたい仕事がある、取りたい資格があるなど、何か目標が出来た時。

仕事でうまく行かなかったり、恋人から振られるなど、何か悔しい思いをした時。

昇進して職場での立場が変わった、好きな人が出来たなど、何か行動を変える必要が出てきた時や、行動するためのモチベーションが湧いてきた時。

このように、誰にも行動を変えて「なりたい自分になる」ことを決意した瞬間があるのではないでしょうか。

その一方で、思うように自分を変えることが出来ず、挫折を味わった人も多いのではないでしょうか。

  • 意気込んで新年の目標を立てたはいいものの、行動を起こせないままいつの間にか目標を忘れてしまっている。
  • ダイエットをしようと決意したものの、目の前の誘惑に負けていつまで経ってもほとんど痩せられていない。
  • 資格の勉強を始めてみたものの、仕事やプライベートが忙しくて中々進まない。

「自分を変える」のは想像以上に難しいもの。

目標達成はおろか、目標達成のための行動を続けることさえ、簡単ではありませんよね。

そして途中で挫折してしまっている自分に気がつくたび、このように考えてしまいます。

  • 頭では分かっているのに行動に移せない。自分はなんて意志が弱いんだろう、、、
  • また今回も失敗した。自分は意志が弱いから、きっと次もうまく行かないだろう。

なりたい自分になれないのは、自分の意志が弱いから。

ー本当でしょうか?

また、ある人は途中で挫折してしまっているあなたを見て、あなたに対してこう言うでしょう。

  • そんな中途半端な覚悟で、自分を変えることなんて出来るはずがない。
  • 自分を変えるためには行動するしかない。行動できないのは、あなたの意志が弱いからだ。

あなたが変われないのは、あなたの意志が弱いから。

ー本当でしょうか?

何か問題が起きた時、私たちは自分の意志力や精神力を犯人に仕立て上げようとします。

確かに自分の意志次第では、自分のいかなる行動をも変えていくことが出来るのかもしれません。

「怠け心」「先延ばし癖」「誘惑への衝動」ーこういった私たちの中に潜む強大な敵に、常に勝ち続けれられるのであれば。

実際には、「自分の意志一つで自分の行動を変えることが出来る!」という考え方で、問題を解決出来た人はほとんどいないでしょう。

もっと現実的で、より簡単で、より続けられる方法を取ることで、「自分を変えられる」確率を高めていくことは出来ないのでしょうか?

そんな問題に答えてくれるのが、ケイティ・ミルクマンさんの著書『自分を変える方法』です。

一体どんな本なのでしょうか?

早速まとめていきたいと思います。

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本の概要

本書は人生の難題である「習慣を変えることでいかに自分を変えられるか?」という問題を、科学的観点から解き明かしていく1冊です。

原著『How to Change』は世界的ベストセラーとなり、2022年10月に邦訳版として、この『自分を変える方法』が出版されました。

本書は以下の章で構成されています。

  • Introduction:「正しい戦略」で勝率を上げる
  • Chapter 01:いやでも「やる気」が出るー「フレッシュスタート」の絶大な力
  • Chapter 02:「衝動性」を逆用するー「つい動いてしまう」仕組みをつくる
  • Chapter 03:また「先延ばし」した?ー自分を「最適な強度」で縛る
  • Chapter 04:「合図と計画」ですぐ動けるー「合図付きの計画」という最高の味方
  • Chapter 05:「怠け心」を出し抜くー「怠惰なおかげ」で続くようにすればいい
  • Chapter 06:「自信」の異様な力ー心だけでなく体まで変えてしまう
  • Chapter 07:「同調する力」を利用するー「みんな」の強烈な影響力
  • Chapter 08:最後にーいつまでも変わり続ける

著者は世界でも屈指の行動科学者であるケイティ・ミルクマンさん。

全米トップクラスのビジネススクールであるペンシルバニア大学ウォートン校で科学者として活躍する傍ら、ホワイトハウス、Google、米国国防省、米国赤十字社など、数多くの組織に行動変革のためのアドバイスを行なっています。

自分を変えるためには、「怠け心」「先延ばし癖」「誘惑への衝動」などの「敵」に、「意志の力」で打ち勝つ必要があるー多くの人はこう考えます。

しかし、それに対してケイティ・ミルクマンさんの共同研究仲間であるアンジェラ・ダックワースさんは、以下のように述べています。

つまり、ケイティが身につけたのは、人間らしい衝動をなくす方法ではなく、それを理解し、その裏をかき、そしてそれに逆らう代わりに、できる限り味方につける方法なのだ。

出典:『自分をーいやでも体が動いてしまうとてつもなく強力な行動科学』

このように、「怠惰な心に強引に抗うのではなく適切に対処したり、時にはむしろ人の特性を利用して自分を変えていこう」というのが、本書のアプローチです。

この記事では、Introduction〜Chapter 01までの内容を中心にまとめていきたいと思います。

なお当記事は本書の言葉を自分なりに置き換えながらまとめる形になっていますので、著者の正確な表現を知りたい方はぜひ本書を読んでみてください。

自分を変える方法ー「いつ」から行動すればよいのか?

行動変容に必要なのは「敵に合わせた戦略」である

  • 著者がある日参加した研究発表会で、衝撃的なデータが紹介されていた。そこでは、早死の原因の40%は、食事や運動、喫煙など、自分が変えることが出来る個人の行動によるものだと推定されていた。日常のささやかな失敗は、取るに足らない問題にとどまらず、生死に関わる深刻な問題にもなりうるのである。
  • しかし、人はなかなか変われない。頭の中で絶対に必要だとわかっても、だからといってそれを実際に行動に移すとも限らない。例えば、アメリカの公衆衛生当局が肥満を減らす目的でカロリー表記を義務付けるようにしたが、ほとんど何の成果も上げられなかった。
  • 「SMARTな目標設定」「ポジティブ思考」「小さな積み上げ」など、私たちの周りには成功するためのノウハウが溢れている。しかし、巷でもてはやされている方法が必ずしも良いとは限らない。そもそも、いつどんな時でも有効な方法など存在しない。
  • 著者が調査を重ねるうちに、有効な行動変容の一貫したパターンが見えてきた。それは、自分が変わることを邪魔をする敵を見極め、その障害に的を絞って戦略を立てた場合である。つまり、成功確率を最大限に高めるに重要なのは、敵に合わせた正しい戦略である。
  • 最強の戦略家は、必ず敵を正しく見極め、敵に合わせた戦略を取る。私たちも同様に、自分の行動を変えるために私たちの中に眠る「怠け心」「後回し癖」といった敵の姿を的確に見極め、戦略を練り、適切に対処していくことが重要なのである。

フレッシュスタート効果ースタートの「タイミング」が成否を分ける

  • 上記の「カロリー表記の義務付け」のように失敗に終わるものもあれば、成功を収めたキャンペーンもある。例えば、乳幼児突然死症候群(SIDS)を減らす目的で行われた「赤ちゃんを仰向け寝に戻そう」運動は、文句なしの大成功を収めた(※SIDSの大きな要因は赤ちゃんがうつ伏せで寝てしまうことにある。この運動により仰向けで寝る赤ちゃんが4倍以上に増え、それに伴いSIDSでの死亡率は激減した)。
  • このような違いはなぜ生まれるのか?その鍵は「タイミング」にある。
  • 食事や喫煙といった、過去の習慣に囚われていない状態から始めた時は成功しやすい。「仰向け寝に戻そう」運動で言えば、親になる瞬間は誰にとっても初めての経験である。このように、「白紙の状態」から始めることで成功しやすくなる現象を、著者らの研究チームは「フレッシュスタート効果」と名付けた。
  • 残念ながら「白紙の状態」が自然に訪れる瞬間は滅多にない。しかし、代わりに以下のような「白紙の感覚」を利用してよいスタートを切ることはできる。

ポイント①:「日付」の変わり目を利用する

  • 著者の研究チームが収集したデータを分析したところ、「新年」「月曜日」「休み明け」や「新学期の初日」「誕生日の後」に、行動を起こす人が増加していることがわかった。このようなカレンダー上で「始まり」を連想するような日付や、自分にとって新たな気持ちになれる日付(誕生日など)は、フレッシュスタートのタイミングとしてよい。
  • この中で最も効果が高いのは「新年」である。基本的に、変化が大きいほど、フレッシュスタートの効果も大きくなる。
  • また、ある日付を「初日感の出る名前で呼ぶ」だけでも効果がある(例えば3月9日を「旅立ちの日」と呼ぶなど)。例えば、著者らの研究チームが行った実験では、「初日感のある」呼び方で貯蓄を呼びかけた場合、そうでない場合に比べて実際に貯蓄を促す効果が20〜30%も高くなった。

ポイント②:「環境」の変化を利用する

  • 自分にとって何か大きな出来事を、フレッシュスタートのタイミングとして利用することもできる。裁判弁護士を務めていたボブ・パスは、心臓弁のブドウ球菌感染症で入院したことをきっかけに、弁護士を辞めてテニススクールを開講した。生と死を見つめる中で、自分が本当に好きなことをしようと決心したのである。
  • 引越しや通勤コースの変更といったちょっとした出来事でも新たなスタートのきっかけになるという研究データもある。1994年の論文によると、転職をする・ダイエットを始めるなど、人生を有意義な方向に変えることができた人の36%が引越し後に行動変容に取り組んでいたのに対し、失敗した人のうち引越し後に取り組んでいた人は13%に過ぎなかった。
  • 新しいカフェを見つけたり、新しいジムに行ってみるような簡単な工夫でも効果がる。このようなちょっとした環境の変化でも、古い習慣に新たな気づきをもたらし、新しいスタートを切る私たちに勢いをもたらしてくれる。

すべては「スタートの日」を決めることから始まる

  • フレッシュスタートする日付を決めても、行動変容の旅は決して容易ではない。ある調査によると、新年に目標を立てたアメリカ人のうちの80%は、目標を達成出来ずに挫折してしまっている。
  • しかし、逆に言えば20%は成功するということ。自分を変えるためには、失敗にもめげずに何度もトライすることが重要なのである。打席に立たなければホームランは打てない。
  • まずは「スタートの日」を決めて打席に立とう。そして次に考えるべきは、その旅をどのようにしてやり抜くかだ。

いかがでしたでしょうか。

もし、「自分を変えたい!」「新しいことを始めたい!」と思うのであれば、日付や環境の変化がもたらす「白紙の感覚」を利用して、まずはスタートしてみましょう!

しかし、いざスタートを切ったとしても、道中には「怠け心」「先延ばし癖」のような数々の強敵が待ち受けています。

こうした敵に私たちはどう立ち向かえばよいのでしょうか?自分を変える旅に攻略法は存在するのでしょうか?

気になる方はぜひ本書を読んでみてください!

「ヒトの特性を利用して自分を変える」本書の面白さはここからです。

そんな感じで、今日はこの辺りで。

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