アダム・グラントさんの「ORIGINALS」って本を読みました。
「自分のビジョンやアイデアを、いかにして形にしていくのか?」みたいな事が書かれているんですが、色々な発見があって面白いなーと思いました。
その中で「アイデアの相談に適した人物とそうでない人物」みたいな話があったのでまとめてみたいと思います。
自分のアイデアを形にする事を考える時に、他の人の視点を入れた方が良いものになりやすいと思いますし、安心感もありますよね。
ただ難しいのは「一体誰に相談すべきなんだろうかか?」というところなんじゃないでしょうか。
相談先次第で実現率が変わるかも?と思うと、結構悩ましいですね。
早速、誰に相談すべきか?相談を避けるべきか?というところを見ていきましょう。
こういう人への相談には気をつけよう!
まずは「相談相手としては向いていない」人はどんな人物なのか?というところを見ていきましょう。
以下の3パターンのどれかに当てはまる場合、自分のアイデアの相談先として選ぶには気をつけた方がいいかもしれません。
①関連分野の知識や経験が豊富すぎる人
何となく「その分野の経験が豊富な人」に相談しておけば間違いないように思いますが、どうやらそうでもないようです。
何でかというと、以下の点があるからです。
- 経験や知識が豊富になるほど、物事の見方が一定に固定されてしまう
以前の記事で「バイアスによって客観的に物事を見るのは難しくなる」みたいな話を書きましたが、経験が豊富すぎる場合も、ある種視野狭窄のようなものに陥ってしまうようです。
いかもしれません。
①関連分野の知識や経験が豊富すぎる人
上にも書いた通り、経験が豊富すぎる人は相談先には向いていないようです。
実際の事例でも、例えばエンタメ業界では「スター・ウォーズ」、出版業界では「ハリー・ポッター」などが、企画当初は上層部に却下されていたんだとか。
これは、管理職になるほどリスク回避に重点的に考えるからです。
リスク回避をするためにはどうしても失敗に対して保守的になるんで、特に創造的なアイデアや革新的なアイデアに対して風当たりが強くなるんだと。
例えば「ハリー・ポッター」なんかも「子供向けの本としては長すぎる」として、当時の慣習とは異なるというところで却下されていたようです。
まあ無難なアイデアというか、既にある程度答えが見通せるようなアイデアに対しては良い相談相手になるんだと思います。
ただし創造的なアイデアとか今までの文化や慣習と異なることをやろうとする時には、その分野での経験豊富な人は相談相手には向かないのかもしれませんね。
②関連分野の経験が浅すぎる人
経験が豊富過ぎると良くないとはいっても、逆に浅すぎる人も、アイデアを適切に評価するのは難しいようです。
なんの前提知識もない場合は判断材料がない状態なので、やはりこの場合も相談相手としては適切ではないとのこと。難しいですね、、、
③自分自身
経験豊富な人も浅い人もダメとなると、頼れるのは自分しかいないのか、、、と言いたくもなるところですが、これもNG。
理由は以前の記事でご紹介した「確証バイアス」が働くからです。
自分のアイデアを批判的に考えるたいとは中々思えないので、そうするとどうしても自分のアイデアを肯定するような意見や考えばかりに気が向いてしまうんですよね。。
というところでいかがでしょうか。
もちろん上の3パターンどれかに当てはまるからといって、「絶対に相談するな!」とか「相談するだけ無駄」って話ではな全くないと思いますが、これらのポイントを踏まえて相談する必要があるなというところです。
とはいえ経験豊富な人も、浅い人も、かといって自分自身もダメだとすれば、どんな人に自分のアイデアを相談すれば良いのでしょうか?
どんな人が適した相談相手なのか?
ここからは「どんな人が相談相手に向いているのか?」というところを見ていきましょう。
結論、アイデアの相談相手として適切なのは、「同じ分野の仲間」です。
同じ業界で働いている人だったり、同じ趣味を持つ友人だったり。
特に、「めちゃくちゃ経験豊富って訳でもないが、ある程度はその分野に精通している」くらいが最適です。
理由としては、以下3つです。
- ある程度経験があるので、直感で判断するような事はない
- 第三者の視点から客観的に評価してもらえる
- リスク回避的に考えようとはしないので、創造性なアイデアであってもオープンに受け入れる事が出来る
というものがあります。
「客観的に判断出来る」「直感ではなくある程度合理的に考えられる」みたいなところがポイントとなる感じでしょうか。
こうして考えると、
- なるべく自分とは違う会社や組織に所属している人
- あまりに自分と距離が近すぎない人(家族や恋人等ではない)
みたいなところも、条件としては必要そうだなと思います。
自分もブログの相談相手とか作った方がいいのかな。
アイデア評価の精度をより高めるには
「アイデアの相談先には、同じ分野の仲間がよい!」という事ですが、ここから更にアイデア評価の精度を高めていく方法があります。
それは、「評価の前に、その人自身のアイデアを出してもらう事」です。
これはある調査がもとになっています。
調査は1000人以上の大人たちに、奇抜な新製品が市場で成功する可能性を予測してもらうというものです。
また、その際に「①管理職の視点をイメージして評価する」「②管理職の視点で評価基準を決めた後に、創作者の視点でアイデアを出す」の2つのグループに分けて調べたました。
「どんな視点で評価したら最も精度の高い予測が出来るか?」という事を調べた感じです。
結果として分かったのは、以下の通りです。
- 管理職の視点で評価したグループは、約51%の確率で製品の成否を当てる事が出来た。
- 管理職の視点の後に創作者の視点でアイデアを出したグループは、約77%の確率で製品の成否を予測する事が出来た。
つまり、現場の感覚で自らアイデアを出してもらうと、よりアイデア評価の精度が高まるという事ですね。
管理職の視点になると、どうしても批判的な物の見方をしがちで、必要以上に厳しく評価してしまうので、適切な評価に繋がらないというのがあります。
逆に自分自身でアイデアを出す事によって、アイデアに対して寛容的になり、フラットな評価が出来るようになるという事だそうです。
なので、もし誰かに自分のアイデアを相談する時は、アドバイスをもらうだけではなく、一緒にアイデアを考えてもらうようお願いしてみるといいかもしれませんね。
自分自身を客観的に見るのも難しいですが、誰かの考えや価値観に対してオープンになるのもまた難しいもの。
なので、こういう工夫で少しでも正しい判断をしたり、適切なアドバイスをもらえるようになっていくといいのかなと思います。
そんなところで。
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