ストレスという言葉を聞いて良いイメージを浮かべる人は少ないんじゃないかと思います。
上司から怒られた場面、親しい人と口論になった場面、学習が上手く進まない場面など、嫌なシーンを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか?(笑)
一方で同じようにストレスかかるような局面でも、反応は人それぞれ。
落ち込んでしまう人もいれば、逆にエネルギッシュになる人もいれば、何事もなかったかのような反応の人もいたり。
こういう反応の違いって何が原因なんでしょうか?
そこでヒントになるかもしれないのが、ストレスを感じた時の体の反応の違いです。
人がストレスを感じた時、大きく3種類のストレス反応があります。
- 闘争・逃走反応
- チャレンジ反応
- 思いやり・絆反応
この3つです。
体の中で一体何が起きてるのか?それぞれの反応にはどんな違いがあるのか?
簡単にまとめて行きますので、早速見ていきたいと思います。
闘争・逃走反応
一つ目は「闘争・逃走反応」です。
これは、生命を守るためやばい場所から逃げたり、敵と戦ったり出来るようにするために、体に備わって反応です。
ストレスを感じた時に、緊張感や不安、焦りや恐怖を感じる時は「闘争・逃走反応」が起きています。
これは一番よくあるストレス反応なんじゃないかと思います。
この「闘争・逃走反応」の最中は非常にストレスホルモンの分泌が活発になり、コルチゾール・アドレナリン・ドーパミン・エンドルフィンなどが分泌されていきます。
これらのホルモンの働きによって交感神経が活発になり、心拍数が上がり、筋肉が緊張して瞬時に行動を起こせるようになります。
人類が猛獣などの手から逃れ生き延びる上では、このストレス反応が非常に助けになってきました。
ただし、現代では猛獣に襲われることはないので、過剰なエネルギーを使ってしまい、体にダメージを与えてしまいがちです(ストレスのミスマッチ理論)。
チャレンジ反応
2つ目はチャレンジ反応です。
これは闘争・逃走反応に近いんですが、闘争・逃走反応とは違い、集中力は上がれど恐怖や焦りは感じない点がポイントです。
いわゆる「フロー状態」はこのチャレンジ反応が起きている状態で、積極的に行動を起こそうとするなど、比較的ポジティブな反応を起こします。
ストレスを感じているはずなのに、自信があるように見えたり、困難な状況から進んで学ぼうとする人の中では、「チャレンジ反応」が起きています。
これは、ストレスホルモンの中でも若返りホルモンなどとも呼ばれる、DHEA(デビドロエピアンドロステロン)というホルモンが多く分泌されるようになる事で起こるもの。
ストレスホルモンのバランスも理想的だとされ、ストレスを感じてもチャレンジ反応が起こるのが一番いいんじゃないかと思います。
思いやり・絆反応
3つ目は「思いやり・絆反応」です。
これは、ストレスを感じる時に人との繋がりを求める反応です。
イライラした時に誰かに話を聞いてもらいたくなったり、誰かと遊んでストレスを発散したくなるのも、この「思いやり・絆反応」が起きていることによるものです。
「思いやり・絆反応」が起きている時、体の中では愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンが多く分泌されています。
オキシトシンの働きにより、ストレス源への恐怖感が和らいでいきます。
オキシトシンの分泌は健康にも良いとされているので、ストレスを感じた時に誰かに助けを求めるというのは、なんだかんだで正しいストレスへの対処法なんじゃないかと思います。
まとめ
そんな感じで、ストレスの感じ方には大きく3つのパターンがあるというお話しでした。
- 闘争・逃走反応:ストレス源と闘う、あるいは逃げ切るために臨戦態勢になるので、不安や恐怖を感じる
- チャレンジ反応:ストレスから学んだり、乗り越えようと積極的に行動する
- 思いやり・絆反応:人との繋がりを求めるようになる
というものでした。
この3つのうち、「チャレンジ反応」が起こるのが一番理想的なのかとは思いますが、より現実的なのは「思いやり・絆反応」でしょうか。
やっぱりストレスを感じたら、一人で抱え込まず誰かに助けを求めるというのが、何だかんだ重要なんじゃないかと。
上の3つのどの反応が起こるか、自分でコントロールする事は出来るのか?みたいな話はまた別の機会にでも出来ればと思います。
現場からは以上です。
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