「損失回避」と「期待感」によるモチベーションー②「何かを得られそう」な期待が人々を虜にする

人間関係/コミュニケーション

先日の記事で、「ポジティブ情報・ネガティブ情報の効果的な使い分け」について書いていきました。

ネガティブメッセージを軸に据えた「ロスフレーム」、ポジティブメッセージを軸に据えた「ゲインフレーム」というものをご紹介し、

  • 「まずはネガティブなメッセージで注目を集めて」
  • 「ポジティブな解決策等を提示する」

みたいな流れがいいんじゃないか、というお話でした。

また、前回の記事で「ロスフレーム」の裏にある「損失への恐怖感」から来るモチベーションについてまとめていきました。

今回の記事ではもう一方の「ゲインフレーム」の裏にある「何かを得られるかもしれない期待感(報酬の予感)」についてまとめていきます!

恐らく、特に好奇心の強いタイプの方には、この期待感はかなりしっくりくる話になるなんじゃないかなーと思います(こうしたら上手く行くんじゃいか?→試してみたい!みたいな)。

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おさらい:「損失回避」「報酬への期待感」から生まれるモチベーション

まずは簡単に前回までのおさらいを。

先日の記事で、ロスフレーム/ゲインフレームのそれぞれがどんな影響を与えていくのか?という事を以下のように書いておりました。

  • ネガティブメッセージに焦点を当てて何かを失う恐怖感を煽るのが「ロスフレーム」
  • ポジティブメッセージに焦点を当てて何かを得られる期待感を与えるのが「ゲインフレーム」

この「損失回避(何かを失う恐怖感)」と「報酬への期待感」は、どちらも行動に繋がるモチベーションになっていきます。

その裏にはどのような心理が働いているのでしょうか?

この記事では「報酬への期待感」について、改めて見ていきたいと思います。

報酬への期待:人は報酬そのものではなく、「報酬を得られそうな期待感」によってモチベーションが上がる

ここから今回の内容です。

ポイントになるのは、人のモチベーションを刺激するのは報酬そのものではなく、「報酬を得られそうな期待感」であるという点です。

例えばギャンブルやゲームなんかはこの仕組みをうまく取り入れています。

ギャンブルで言えば、スロットマシーンの「もう少しで絵柄が揃いそう!」みたいな、いわゆる「ニアミス演出」が、まさにこの期待感を刺激するものです。

実際「ニアミス演出」の発生確率を上げたスロットマシーンは、普通のスロットマシーンと比べて、一人あたりのプレイ時間が10%〜20%ほど長くなるそうです。

ゲームでも、例えばレアキャラが貰えるガチャに課金しまくる人がいるのも、「凄く価値のあるものが得られそう!」という期待感が裏にあります。

これは、脳の報酬系というエリアが刺激されているのが理由で、この報酬系が活性化される事で目の前の何かに夢中になっていきます。

脳内が「もうすぐ凄いものが手に入りそう!もっと欲しい!」みたい感じになり、虜になってしまいます。

他の例では、例えばポルノやジャンクフードも脳の報酬系を刺激するので、ひどくなると依存症に陥ってしまったり。

恋愛にある「自分を好きかどうかが分からない時は相手に夢中になるが、自分を好きだと分かった瞬間に冷めてしまう」みたいな話も、この辺の話に関係しています。

こうして見ると何だか取り扱い注意の黒いテクニックって感じもしますねー。

その辺気をつけていかねば。

「報酬への期待感」を正しく作動させるの2つのポイント

ゲームやギャンブルに夢中になってしまうのは、「如何にして報酬への期待感を持たせるか?」という点が素晴らしくうまくデザインされているからです。

逆にそのポイントを外してしまうと、報酬に対するモチベーションは機能しなくしまいます。

モチベーションを機能させるために、優れたサービスはどんなポイントに気を配っているのでしょうか?

ここでは2つのポイントをご紹介していきます。

①報酬は「手に入れる意義」を感じられるものにする

そもそも欲しいと思えるものや、メリットを感じさせないようなものでもなければ、「報酬への期待感」は湧いてきません。

「あの有名人からサインが貰える機会です!」みたいな時はモチベーションが上がるかもしれないですが、「どこかの誰からサインが貰えます!」みたいに言われても微妙だ、みたいな(笑)

やっぱり「相手や自分にとって、何かしらのメリットを感じられるものになっているだろうか?」という点がめちゃめちゃ重要なようです。

何かしらのメリットを見出してそれが伝わる形にしていければ、「報酬への期待感」を感じられるようになっていくのではないでしょうか。

僕も読み手がメリットを感じられるようなまとめ方をやっていくようにしたいなーと思います。

②難易度を適切なレベルに調整する

2つ目が「報酬を得るための難易度を適切に調整する」という点です。

この「適切な難易度」というのが難しくて、

  • 簡単すぎる→簡単に報酬が手に入るのでつまらない
  • 難しすぎる→全く報酬が貰えないのでつまらない

というような形で、簡単すぎても難しすぎてもモチベーションが上がらないんですね。

その点ゲームなんか、プレイヤーの上達に合わせて難易度が上がっていく仕掛けになっているんで、うまくできているよなーと改めて思います。

延々と草むらでコラッタを倒し続けるゲームだったら飽きるし、常にラスボス級のバトルが続くゲームだったら疲れてしまいますし。

「適切な難易度」を見極めるのってかなり難しいと思うのですが、まあ実践的に活用しようと思うなら相手の反応を見ながら、調整していくしかないんじゃないかなと思います。

まとめ

そんなわけで、「報酬への期待感」というモチベーションについてまとめていきました。

まとめると、

  • 「報酬への期待感」は非常に強いモチベーションで、ギャンブルやゲームにハマってしまうのも、「ニアミス演出」によって「もうすぐすごいものが手に入りそう!」という期待感を持たせられるから
  • 「報酬への期待感」は、価値を感じない報酬や、報酬を得る過程が簡単すぎたり難しすぎると機能しなくなる

という感じです。

個人的にもブログ書くうえで勉強になったなーという話でした。

何にしても実践的に活用していくのが難しいのですが、まあ僕もぼちぼちやっていければなと思います。

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