以前なら僕はこう思っていた。
仕事を楽しむこと、それは選ばれた人間だけの特権なのだと。
だが、今は少し違うと感じる。
仕事選びとは結局、思考法の問題なのだ。
どこを選ぶか、誰と働くか、それを間違わないこと。
そして、ポジショニングとは「思考法」ひとつで、誰でも解決できるものなのだ。
出典:『転職の思考法』
閲覧ありがとうございます!
日本でも転職が当たり前の選択肢となった現代。
ある人はキャリアアップのため、またある人は辛い現状を変えるため。
理由は人それぞれだと思いますが、どうせ転職するのであれば、今より良い会社、良い仕事に就いて幸せに生きられたら、それに越したことはないですよね。
理想のキャリアを実現するための「転職」を、どのように考えれば成功させる事が出来るのか。
そんな問いのヒントとして北野唯我さんによって書かれたのが、『転職の思考法』です。
僕自身ちょうど転職を考えている事もあり読んでみたのですが、とても勉強になってので紹介したいと思います!
また、このブログ記事では本の内容の一部のみをご紹介しているので、ご興味のある方は是非本書を読んでみてください!
この本は以下のような人におすすめです!
- 転職を考えているが、今の会社にいた方がいいのではないかと不安に思ってしまったり、迷いがある
- キャリアの描き方がわからない
- 今の会社に不満はあるが、やりたい事がわからない
また、今後も以下のような人に向けて本要約の記事を上げていきます!
- どんな内容の本なのか簡単に知りたい
- 内容を見てから買うかどうか決めたい
- 何か面白そうな本がないか探している
著者の紹介
著者の北野唯我さんは、神戸大学経営学部を卒業後、博報堂やボストンコンサルティンググループを経て、現在は就活サイト「ONE CAREER」の運営等を営む株式会社ワンキャリアの取締役を務められています。
また、同時に作家としても活動されており、今回ご紹介する『転職の思考法』以外にも、『これからの生き方。』『天才を殺す凡人』『内定者への手紙』『分断を生むエジソン』等、個人向けから組織向けのものまで、様々な本を出版されています。
次からはこの本の中でも特に面白いと思った部分を中心に、ざっくり解説していきます!
ちなみに『これからの生き方。』については、当ブログでも紹介しているので、良かったらこちらも見てみてください!
本の概要
この本は著者の北野さんにより、「全ての働く人が“いつでも転職できる”カードを持てたとしたら、働く人々、組織、社会にとってポジティブな影響を与えることができる」との想いで書かれています。
「いつでも転職できる」だけの選択肢を持つことで働く個人は自由になり、そんな個人を惹きつけようとする会社がより魅力的になっていくことで、社会に良い循環が起こるというものです。
そういった想いのもと、転職する個人に向けて、
- 「いつでも転職できる」人材になるための価値の高め方と考え方
- 転職先の会社・業界の選び方
- やりたい仕事を見つけるための考え方
上記のようなキャリア・転職についての考え方や
- 良い転職エージェントの見極め方
- 理想の会社を見極めるための面接での質問方法
といった実践的な内容も書かれています。
また、基本的に小説風の物語形式で描かれている為、かなり読みやすいです。
そんな中でも、個人的に特に面白いと思った「マーケットバリューの測り方と高め方」について、次から紹介していきます!
マーケットバリューの測り方と高め方
ここからはこの本の中で最初に語られる「マーケットバリューの測り方と高め方」について、個人的に感じたことも含めて深掘りしていきます!
「一生食える」を実現するため、まずは自分のマーケットバリューを測る
「いつでも転職できる」カードを手に入れる具体的な方法として、「一生食えるを確保するための4ステップ」という考え方があります。
一生食えるを確保するための4ステップは、具体的には下記の通りです。
- 自分の「マーケットバリュー」を測る
- マーケットバリューを決める要素を知り、市場から見た自分の価値を測る。
- 今の仕事の「寿命」を知る
- どの仕事にも生まれてから代替されて無くなるまでのライフサイクルがあり、今の仕事がどのステージにあるかを知る必要がある。
- 強みが死ぬ前に、伸びる市場にピボットする
- 成熟している仕事に後乗りしても代替可能な存在になってしまう。そのため、今の強みを活かして伸び代がある市場に移る。
- 伸びる市場の中から、ベストな会社を見極める
- STEP3で決めた市場の中から、自分にとってベストな会社を見極め、入社する。
上記のように、まずは自分のマーケットバリューを測り、そこから今の自分の仕事や市場を分析し、最終的に理想の会社を選んでいくという流れになっています。
ここからは具体的に、STEP1の自分のマーケットバリューを測り、高めていくための方法について紹介していきます!
「一生食える」を実現するため、まずは自分のマーケットバリューを測る。
マーケットバリューとは
そもそもマーケットバリューとはどういう意味でしょうか。
マーケットバリューとは世の中から見た個人の市場価値の事で、給料の期待値とも言えます。
自分のマーケットバリューを測るためには、まず自分を商品として考える事が必要となります。
自分という商品を市場の中のある会社が買うことで給料が発生しているという考え方です。
そして自分を商品として捉えた時に、商品の価値を決める構成要素に分解する事が出来ます。
それにより、それぞれの要素に基づき自分の市場価値を測り、高めていくための方法を知ることが出来るようになるというものです。
間違いやすいのは、上司などの社内からの評価ではなく市場から見た自分の評価だと言う事。
普段働いているとどうしても上司からどう見られるかというのが気になってしまいますし、確かにある程度重要なのは間違いないと思いますが、それ以上に市場から見て自分がどの位置にいるのかと言う事を重要視する事が必要です。
なぜなら、転職において企業が個人を採用するかどうか、いくらの給料を払うかを決めるのは、その人の現職の中での評価ではなく、市場から見たその人の価値で決まる部分が大きいからです。
転職したい、今より良い会社に入りたいと思うのであれば、何より市場から見た自分というものを意識することが大切です。
- マーケットバリューとは、世の中から見た個人の市場価値のこと。
- 自分という「商品」を市場にある会社が「買う」ことで、給料が発生していると考える。
なぜマーケットバリューを高めることが必要なのか
なぜマーケットバリューを高めることが必要なのでしょうか。
もちろん、誰しもが必ずマーケットバリューを高めて働かなくてはならない、という訳ではありません。
今の会社にずっといるのも、ほどほどに仕事を楽しみながら働くのも、個人の自由であり、他の誰かに決められるものでも、否定できるものでもありません。
しかし、マーケットバリューを高めることが出来れば、自分の人生を楽にする事が出来ます。
なぜなら、マーケットバリューを高めれば選択肢が広がり、理想的な職場で働ける可能性が高まるからです。
「いつでも転職出来る」と思えば心に余裕が出来ますし、自分が働きたい環境も自由に選択出来るようになります。
逆にマーケットバリューが低いままでは、今の会社にしがみつくしかなくなってしまいます。
そうすると例えば自分が生き残るため他人を蹴落として生きていくことになるような事になってしまうかもしれないですし、そういう人が集まった会社というのは雰囲気も最悪です。
なのでマーケットバリューを高め選択肢を広げることを考えて損はないですし、一度考えてみるのも良いのではないでしょうか。
- 仕事をする上で誰もがマーケットバリューを高める必要がある、ということではない(何を求めて働くかは個人の自由)。
- しかしマーケットバリューを高めることは、自分の選択肢を広げ、理想的な職場で働ける可能性を高めてくれる。
マーケットバリューを決める3大要素
自分のマーケットバリューを測り、高めていくためには、それを構成する要素を知ることがまず必要です。
そのため、ここではマーケットバリューを決める3大要素を説明していきます。
①技術資産
一つ目は技術資産です。
この技術資産は、「専門性」と「経験」の2つに分ける事ができます。
「専門性」は職種に近く、例えば営業やマーケティング等特定分野のスキルレベルのことです。
「経験」は職種に紐づかない、例えばリーダー等チームを率いた経験や業界での経験、企画系の経験などのことです。
また、技術資産として価値があるかを決める重要な観点は、他の会社でも展開することができるかどうかです。
例えば自社独自の商品に対する知識等は、活かし方を考えなければ技術資産とは言えない可能性が高いです。
そしてこの2つのうち、普通の人ほど「経験」で勝負することを考えることが必要です。
なぜなら、「専門性」だけで上り詰めるには明らかに恵まれた環境や才能が必要だが、経験をどこを選ぶかというポジショニングで解決できるからです。
ただしある程度の専門性がなければ経験を得られるチャンスは回ってこないので、20代は「専門性」、30代以降で「経験」を高めていくことが重要になってきます。
②人的資産
人的資産は人脈のことです。
人脈で仕事を持ってくる事ができる人は、やはりそれだけ価値が高まります。
40代以降はこの人脈の力が重要になってくるので、20代から徐々に人脈を作っていくことが必要とされています。
③業界生産性
そしてマーケットバリューを決める要素のうち、最大の要素となるのが、この業界生産性です。
業界生産性とは、業界ごとの一人当たり粗利益のことです。
粗利益はそのまま給料を支給する原資になります。
業界生産性がマーケットバリューに最も大きな影響を与えると言える理由は、一人当たりの粗利益は一番低い業界と一番高い業界で20倍近い差があり、この差を個人の努力だけで埋める事がほぼ不可能だからです。
給料の原資となる粗利益が低ければ、個人がいくら努力しても上げることの出来る給料の期待値には限界が出てきてしまいます。
なので、どの業界で働くかということは、むしろ一番重要な要素と言えるでしょう。
「一生食えるを確保するための4ステップ」のSTEP2〜4にも通ずる話ですが、自分の才能以上に、どこで働くかというポジショニングが重要。
そしてそのポジショニング選びは、上司などの社内からの評価ではなく市場から見た自分の価値を測る、経験を活かし伸び代がある業界を選ぶといった、思考法一つで解決する事ができる。
この考えが、この本の肝となる部分です。
- マーケットバリューは大きく①技術資産②人的資産③業界生産性の3つで構成される。
- この中でも特に業界生産性(つまりどこで働くか)が、マーケットバリューを大きく左右する。
長くなってしますので一旦前編はここまで!
後編では特に「やりたいことが見つからない!」という人向けに、「Being人間とTodo人間」という考え方についてご紹介します!
今日はこの辺りで。
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