先日、鈴木裕さんの『YOUR TIME』を読みました。
先日の記事では「そもそも時間とは?」「“生産性を高める“って考えの落とし穴は?」みたいな話が面白かったのでそこを中心にまとめて行ったのですが、具体的なテクニックには触れられずでした。
とはいえ、なんといっても本書は「時間」を根本まで掘り下げた上で、データに裏付けられた数々の実践的な時間術を紹介している点が大きな特徴。
ということで、せっかくなので個人的に特に使って行きたいなと思った「タイムログ」と「SSCエクササイズ」をまとめていきたいと思います。
まず今回は「SSCエクササイズ」。
「タイムログ」については、以下の記事で別途まとめていますので興味があればご参照ください。
今回ご紹介する「SSCエクササイズ」は以下のような人におすすめです。
- やりたい事が多くて時間が足りない
- いつも時間に追われているような感覚がある
- やらなければいけない事がたくさん頭に浮かんできて、何から手をつけていいか分からなくなる
具体的にどのようなものなのでしょうか?早速見ていきましょう!
YOUR TIMEのおさらい
具体的なテクニックの前に、まずは『YOUR TIME』の内容を簡単に振り返って行きましょう。
本書の要点を超絶ざっくりまとめると以下のような感じです。
- 世間で言われる時間管理術は、大半の人には効果がない!が、一部では効果が認められたケースもある。
- 脳内で行われる「過去の“想起“」と「未来の“予期“」の計算により、人は時間の流れを感じている。
- この「予期」と「想起」の計算にはズレが起こりやすく、ズレの方向・幅には個人差がある。
- つまり、正しい時間術とは、「予期」と「想起」を調整するものである。そして「予期」「想起」のズレには個人差があるので、それを考慮した時間術を採用しないと効果がない!※上記の「一部で効果が認められたケース」は、時間術と個人差の部分がマッチしたから
ざっくりこんな感じでした。
※これ以外にも「現代人にありがちな時間感覚(「生産性第一!」みたいな)って不幸を招きがちだよねー」みたいな話も面白かったのですが、当記事の内容とはズレるので端折ります。
『YOUR TIME』に収録されているテストで自分の「予期」と「想起」のズレを知ることが出来るので、興味のある方は本書を読んでみてください。
SSCエクササイズはこの中でも「予期が多い」タイプの人にとって使えるテクニックです。
「予期が多い」というのはどういうことかというと、
- 将来のイメージが脳内に溢れまくってる!
というタイプです。
- 「明日は友達と思いっきり遊びたい!けど勉強も進めておきたいし、そういえば録画したドラマもみたいしな、、、」
- 「A社から電話が掛かってきたから対応しなくちゃ、けどB社の資料も作成しなきゃいけないし、てか30分後には会議が始まるから準備しないといけないし、、」
こんな感じで、「やりたいことがたくさんある!」「あれもこれもやらないと、、、」みたいに、脳内に次々とイメージが浮かんできて、その度に目移りしたり、迷ってしまうような人が、「予期が多い」タイプです。
僕がまさにこのタイプでしたので、早速取り入れて行きたいなと思った次第です。
次からSSCエクササイズについて見ていきましょう!
SSCエクササイズとは?
SSCエクササイズは、価値の低いタスクを特定し、予期の数を減らしていくため、ロンドン・ビジネススクールの研究チームにより開発されたテクニックです。
SSCエクササイズを活用することで、「価値の低いタスクは他の人に任せるなり、完全に放棄してしまって、本当に大事なことにリソースを割いて行こう!」ということをやっていく感じですね。
価値の低いタスクにばかり気を取られてしまっていては、本当に大事なことにしっかりと取り組めなくなるもので、「予期が多いタイプ」は特にこの悪影響が大きいようです。
「大事なことに集中しよう!」という考えの重要性は『エッセンシャル思考』でも有名ですし、「大事な仕事以外を断る」ってのは生産性向上テクニックをまとめたランキングでも第3位に選ばれていますね。(R)
「本当に自分がやる価値があるもの・自分にしか出来ない事」は意外なほど少ないもの。
なんでも、ある研究によると、「実行すべきタスクが多いビジネスパーソンほど最終的な成果を出せない傾向があり、全体の時間の40%以上をどうでもいい作業に使う人も少なくない」と報告されているそう。
また、ロンドン・ビジネススクールの研究では、以下のように報告されています。
- 事務作業の47%、調整業務の41%は他人に任せても問題がない
- 社外の連絡作業の35%は他人に任せることができる
- 上司との人間関係を構築する作業の21%も他人に任せられる
これをどう見るかは人それぞれかもしれませんが、個人的には価値の高くない仕事って結構多いんだなと思いました。
本当に価値のあることに集中していくためにも、「まずは自分にとって価値の低いタスクを特定し、それをどうするか決める」ために実施するのが、SSCエクササイズです。
具体的なやり方
ここからはSSCエクササイズの具体的なやり方を見ていきましょう。
といっても『YOUR TIME』で紹介されているものをそのまま書き写す訳にも行かないので、ここでは要点をまとめるのみとします。※質問項目の表現も微妙に本書から変更しています
より具体的なやり方を知りたい方は是非本書を読んでみてください!
ステップ①:タスクのリストアップ
まずは今後1週間でやろうと思っていることを全て書き出します。
ステップ②:SSCクエスション
リストアップした全てのタスクに対して、以下の質問をし、点数をつけていきます。
Q1:社会的価値の質問
タスクを達成し、周囲の人に報告しているところを想像して以下の質問に答える。※1〜4点(高いほど価値がある)
- そのタスクを達成したことで、あなたの会社、仲間たち、家族、コミュニティにどのような良い影響があったか?
- そのタスクに時間を使ったことで、その人は喜んでくれたか?
Q2:緊急性の質問
「1日の中で自由に使える時間がほとんどない」と仮定して、以下の質問に答える。※1〜4点(高いほど緊急度が高い)
- 上記のシチュエーションで、そのタスクにはどれくらいの緊急性があるか?
Q3:個人的価値の質問
自分が全てを欲しいがままにしたことを想像し、以下の質問に答える。※1〜5点(高いほど絶対にやる)
- 全てを手にした状況で、なおそのタスクをやろうとするだろうか?(それだけの価値があるか?)
Q4:移譲の質問
信頼できる仲間が「どんな仕事でも手伝います!」と申し出てきたシーンを想像し、次の質問に答える。※1〜5点(高いほど自分がやる)
- あなたはその仕事をどうするか?その仲間に任せるか、あるいはあなたが実施するか?
ステップ③:価値が低い仕事の特定と分類
②の点数をタスクごとに合計し、点数が低かったタスクに対して、それぞれ3つのカテゴリーに分類します。
- 放棄タスク:すぐにやめても目立った悪影響がないタスク
- 委任タスク:最小限の手間で他人に任せることができるタスク
- 修正タスク:内容を見直せば価値を高められるタスク
分類後は、放棄する or 誰かに任せるかを決めてその通りに実行していきます。
まとめ
そんなところで、今回は『YOUR TIMR』で紹介されていたテクニックの一つ、「SSCエクササイズ」についてまとめていきました。
改めてポイントをまとめると以下のような感じです。
僕もそうなんですが、「時間が足りない!」みたいに焦ってる時って、いざ整理してみると案外大したことがなかったりします。
大事なことだけに一つずつ取り組んでいけば、結構余裕で全てが片付いたり。
まあ忙しくて焦ってる時にわざわざ整理する時間を取るのは結構勇気がいるかもしれませんが、、(笑)
そういう時こそ一旦立ち止まって、是非「SSCエクササイズ」を活用してみてくさい!
もちろん、毎回そううまくはいかないかもしれませんが、色々と試しながらぜひ自分に合った形を探してみていただければよろしいんじゃないかと思います。
今日はそんなところで。
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