「フリーランスは幸せへの近道だ!自由だ!」みたいな話は本当なのだろうか?

価値観/キャリア

自由とは責任を意味する。

だから、大抵の人間は自由を恐れる。

-ジョージ・バーナード・ショー(劇作家・評論家)
  • 会社員という働き方はもう時代遅れ。これからは誰もが個人で仕事をする時代だ!
  • フリーランス最高!会社員を続けても不幸にしかなるだけだからやめてほうがいい!

ここ数年で「会社員は終わり!これからは個人の時代!」なんて声も大きくなり、フリーランスの数も増えてきました。

僕の周りでも、「フリーランスをやってるよ!」「将来はフリーランスになりたい!」なんて声をちらほら聞くようになってきています。

実際、日本のフリーランス人口は増加傾向にあり、2021年時点で日本では労働人口の24%がフリーランスなんだそう。(R

フリーランスの魅力は、なんといっても圧倒的な自由度

誰もが一度は憧れたことがあるんじゃないでしょうか?

時間にも場所にも縛られず、うるさい上司もいない、寝坊しても怒られない、毎日の満員電車に乗る必要もない、超フリーダムな働き方。

話を聞くほど、フリーランスという働き方には非の打ち所がないように感じてきますね。

「フリーランス 幸せ」などと検索すると、フリーランス生活を絶賛する記事が山ほど出てきます(笑)

しかし、中にはこんな疑問を持つ方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

  • 確かに自由かもしれないけど、仕事がもらえなかったらどうしよう?逆にストレスになるんじゃなかろうか?

確かに自由度も大きい一方、安定した収入が入るかわからない、雇用の不安定さが気になるところではあります。

果たして、フリーランスは幸福への近道になるんでしょうか?

不安定さなどのデメリットを上回るほど、本当に魅力的な選択肢になりうるんでしょうか?

いくつか参考になる研究例がありましたので、その内容をもとにまとめていきたいと思います!

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フリーランスは幸福への近道なのか?

「心身に悪影響がある!」という研究結果

色々見ていくと、どうやら「フリーランスは心身の健康に悪影響がある!」という研究結果があるようです。

例えば2018年にオックスフォード大学がアジア圏658人のフリーランスを対象に行ったインタビューによると、「フリーランスになりたての頃は自由に働けてテンションが上がるが、長期的には心身の健康を崩す」ことが分かったそうです。(R)

また、2211人のフリーで働くミュージシャンを対象にしたこちらの調査では、回答者の68.5%がうつ病、71%が不安症を患ったと回答したとのこと。(R

なんとも恐ろしい話が並んでいますが、なんでこういう結果になるかと言うと、

  • 賃金や勤務スケジュールの不安定さ
  • 次の仕事が見つからないことへの不安

などが、原因となっているようです。

また、社会学者のジェームズ・エバンスらが行った調査によると、「多くのフリーランサーが評判を維持するための活動に追われ、期待したほどの自由を感じていなかった」ということが報告されました。(R

良い部分だけ見ると「フリーランスこそ至高の働き方!」とも思えてきますが、実際はかなり苦労されていることが伝わってきますね。。。

ポジティブな結果を示す研究も

一方で、比較的ポジティブな結果が出ているデータもあります。

例えばフリーランス協会が同協会に登録しているフリーランスを中心に行った調査によると、人間関係・仕事の充実感・就業環境などにおいて、約7割の人が満足しているとの回答があったようです。(R)

また、中小企業庁が出しているフリーランスの勤務実態を調査したデータでも、似たような傾向が出ていますね。(R

上で見てきたデータの結果と矛盾するようですが、これについてサイエンスライターの鈴木裕さんは、著書『科学的な適職』で、以下のように指摘しています。

「ギグエコノミーで幸福度が上がった」と報告したデータの多くは、「高度なプロフェッショナルほどフリーな働き方によるメリットを得やすい」との事実も示しているからです。

簡単に言えば、統計や語学などの専門的なスキルを持った人はギグエコノミーで幸福になり、クラウドソーシングなどで安い仕事を受注し続ける人はギグエコノミーで不幸になります。

出典:『科学的な適職』

つまり、フリーでも仕事に困ることのないような高度なスキルを持っていれば上記に書いたようなデメリットも少なるなるので、フリーランスで幸せになれる可能性が高まることが考えられるんじゃないでしょうか。

イギリスで行われたある調査でも、「フリーランスは賃金労働者と比べて生活満足度や主観的な健康度が高い」結果が出ていますが、その調査対象となったフリーランスは「熟練した高度なスキルを持った労働者であると想定される」とのこと(実際、調査対象となったフリーランスは平均47歳と比較的高め)。(R

高度なスキルや専門知識を持っている方であれば、フリーランスで幸福度や生活満足度が上がる可能性はあるのではないでしょうか(逆にそうでなければ、精神を病むなどのリスクが高まる可能性が考えれられる)。

つまり、どんな場合にフリーランスで幸せになれるのか?

ここまでで、フリーランスに対するポジティブなデータとネガティブなデータをそれぞれ見てきました。

とはいえここまで見てきたデータはいずれも

  • 調査の規模が大きくない、もしくは調査対象が限定的

って感じなので、はっきりとした結論は出せないんじゃないかなーというのが正直な感想ではあります。

その中でも言えるとしたら、

  • フリーランスは仕事量や賃金が不安定であり、安定して案件を受注出来ないようであればやがて心身の健康を崩す可能性がある
  • 「フリーランス=自由」のイメージがあるが、評判維持や案件獲得のための活動に追われるなど、意外と自由でないという声も多い
  • 仕事に困らないような高度なスキルを持っているのであれば、フリーランスになることで仕事の満足度や幸福度が上がるかも

高度なスキルを持っているならフリーランスはありかもしれないが、そうでなければいきなりフリーランスになるのはリスキーかも、って感じですかね。

何となく締まりのない結論ですが、他にも精度の高いデータがあるわけでもない状況ではこんな感じになるじゃないかなーと思います。

この辺りは今後の調査待ちですね。

今の働き方を変えるにはどうするか?

そうは言っても「フリーランスになりたい!」って人の中には、今の仕事に不満があったり、将来への不安を抱えている人もいらっしゃるんじゃないかと思います。

フリーランスにはリスクもあるとなれば、他の選択肢はないのか?どうなのか?というところをまとめていきたいと思います。

そもそも「仕事での幸福度を上げたい!」って話なら、フリーランスに拘らず他の方法もないのかと探っていきたいと思います。

まず副業から始める

一つはいきなりフリーランスになるんじゃなくて副業をするという方法。

最初は副業として始めて軌道に乗ってきたタイミングでフリーランスになる、っていう考え方ですね。

フリーランスではないですが、「いきなり起業をするよりも副業として始めた方が、失敗する確率が33%低い」ってデータがあったりします。

詳細は以下の記事にまとめているのですが、アダム・グラントさんの著書『ORIGINALS』で紹介されていたものです。

なんでそうなるのか?ってところについてアダム・グラントさんは「ある分野で安心感があると、別の分野で思いっきり創造力を発揮する余裕が生まれる」とコメントしています。

確かに不安で一杯の状況ではどうしても保守的な行動ばかり取りがちになりますが、失敗しても何の不安もない状況なら「好き勝手やってやろう!」って気にもなりますからね。

リスクを嫌い、アイデアの実現に疑問を持っている人が起こした会社のほうが、存続する可能性が高い。

そして、大胆なギャンブラーが起こした会社のほうがずっともろいのである。

出典:『ORIGINALS』

よく「成功したいならリスクを取れ!」とは言いますが、「何でもかんでもリスクを取ればいいって訳じゃない!」ってところは覚えておきたいところです。

「副業」となると本業とのやりくりが大変ですが、その辺りはこの本が参考になるんじゃないかと思います。

「ジョブクラフティング」で今の仕事を見直す

2つ目の方法は今の自分の仕事を見直してみること。

そもそも今の仕事は本当につまらないものなのか?自分の考え方や行動を変えることで、よりよいものに変えていくことは出来ないだろうか?」のような考え方です。

で、この「仕事を見直す」際に使えるのが、「ジョブクラフティング」という手法です。

ジョブクラフティングについては以前別の記事でまとめているので、詳細はこちらを見ていただきたいのですが、一言で言えば「自分の仕事を価値観にもとづいてとらえ直す方法」です。

ジョブクラフティングの効果を示したものとして有名なのは2017年にセントルイス大学が3万5000人以上の被験者のデータを集めたメタ分析で、その結果分かったことは

  • ジョブクラフティングを行うことで、仕事への前向きな行動の増加等に中程度以上の効果があることが分かった!

という感じでした。(R

中々いい感じの結果なんじゃないかなーと思います。

副業をする時間がない人や現実的に転職をするのが難しい人、今の仕事が嫌ってわけではない、みたいな人なんかは、一度「ジョブクラフティング」を試してみてもいいんじゃないかと思います。

転職を検討する

3つ目の方法は「転職」。

例えば「今まさにブラックに勤めている!」「パワハラに遭っている!」って人なんかは、副業したり、今の仕事への考え方を見直すどころではないはず。

そういう恐ろしい状況にいる人も、そうでない人もキャリアアップの観点から、「転職を検討する」というのも全然アリな選択肢だと思います。

「仕事で人生の満足度、幸福度を高めるためにはどんな仕事を選べばいいのか?」って人は以下の本が参考になるので、是非読んでみたください。

『科学的な適職』では、

  • どんな特徴を持った会社を選ぶべきか?
  • 逆に避けるべき会社の特徴は?
  • 常識とも言える「仕事選びのポイント」は、実は間違っている!?(例えば「好きを仕事にする」「年収の高さで選ぶ」「伸びる業界を選ぶ」など)

上記のようなことを知ることが出来ます。

まとめ

そんな感じで、「フリーランスで幸せになれるのか?」というところをまとめていきました。

まとめ
  • フリーランスは仕事量や賃金が不安定であり、安定して案件を受注出来ないようであればやがて心身の健康を崩す可能性がある
  • 「フリーランス=自由」のイメージがあるが、評判維持や案件獲得のための活動に追われるなど、意外と自由でないという声も多い
  • 仕事に困らないような高度なスキルを持っているのであれば、フリーランスになることで仕事の満足度や幸福度が上がるかも
  • そもそも「仕事で幸福度を上げたい!」のであれば、フリーランスに拘らず、副業や転職、ジョブクラフティングで今の仕事を見直すといった方法をとる

まとめるとこんなところでしょうか。

フリーランス生活は確かに楽しそうではありますが、少なくとも安定して仕事が取れるだけのスキルが身につくまでは静観した方が無難、って感じですかね。

僕も別に高度なスキルがある訳じゃないので、しばらくはチマチマ副業するって形を続けるかなーと思います。

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