ネガティブな情報を口にするのは、はばかれるもの。
- 「これを伝えるのは気が重いな、、、」
- 「怒られたり、否定されたらどうしよう、、」
なんて、不安になった経験、誰もがあるんじゃないでしょうか。
もしそういうネガティブ情報を伝えなくていいのであれば、めちゃくちゃ気が楽になりますね(笑)
ポジティブな情報は伝えた方がいいのは間違いないですが、果たしてネガティブな情報も伝えるべきなんでしょうか?
- ネガティブ情報も伝えた方がいいのか?
- 伝えるのであれば、どんなポイントに気をつければいいのか?
というところをまとめていきたいと思います。
ネガティブ情報は開示した方がいいのか?
結論:ポジティブ情報もネガティブ情報も開示した方がいい
結論として、ポジティブ情報に合わせてネガティブな情報も伝えた方がよいようです。
自分の意見やアイデアの良い面だけではなく、欠点や懸念事項もしっかり出していく事が重要です。
相手が自分の話に賛成か反対かに関わらず、ポジティブ・ネガティブのツーサイドのメッセージの方が、ワンサイドのメッセージよりも説得力や信頼性が高まる事がわかっています。
確かに僕もポジティブ一辺倒の謳い文句(健康食品の宣伝みたいな)を見ると、疑ってかかってしまうなーとか思ったり。
ツーサイドで伝えるメリット
ツーサイドメッセージの方が良い理由は4つあって、
- 聞き手の警戒心が柔らぐ
- 相手からの信頼が増す
- 悲観的な物言いの方が理性的に見られやすい
- 好意的に評価してもらいやすい
というところが挙げられます。
1つ目と2つ目はなんとなく感覚的にも分かるようにも思います。
3つ目と4つ目の理由を少し詳細に見ていきましょう。
悲観的な方が理性的に見られる
3つ目の「悲観的な方が理性的に見られる」というのは、例えばある実験によっても表れている傾向です。
実験は心理学者のテレサ・アマビールによって「書評を書く際に、肯定的な書き方と批判的な書き方のどちらの方が知性や専門知識を高く評価されるか?」という事を調べたものです。
なお、この時に使った書評の語彙や文法構成、文章の質はほぼ同等で、一部の表現のみを一方は肯定的、もう一方は批判的なトーンに変えています。
結果分かった事は、
- 批判的なトーンの書評家の方が、肯定的なトーンの書評家よりも、知性が14%高いと評価された
- 専門性は、批判的なトーンの書評家の方が16%高く評価された
「批判的なトーン」というだけで、理性的であるように見えてしまうんですね。
自ら欠点を伝えた方が好意的に見られやすい
4つ目の理由は、人の脳にある情報処理の偏りに起因するものです。
心理学者ノルベルト・シュワルツによる実験で、「人は簡単に思いつくものほど一般的で重要なものだと考える」ということがわかっています。
実験では以下2つのグループに分けて、どちらのグループの方が幸福度が高いかを調べたものです。
- 一方のグループには、「人生の良いところ」を3個だけ書き出してもらった後、自分自身の幸福度を評価してもらう
- もう一方のグループには、「人生の良いところ」を12個書き出してもらい、その後自分自身の幸福度を評価してもらう
12個書き出したグループの方が、3つだけのグループよりも幸福度が高そうですよね。
が、結果は3つだけのグループの方が幸福度が高かったそうです。
12個も人生の良いところを思い起こすのは結構大変なので、考えているうちに「自分の人生はそんなにいいものではないのではないか、、、」と考えてしまうとのこと。
自ら欠点を伝えた場合も同じことが起きていきます。
先にこちらから欠点を挙げることで、受け手自身ではこちらのアイデアや意見に対しての問題点を思いつきにくくなります。
結果、考えているうちに「実はそれほど深刻なものではないのではないか、、、」と考えるんですね。
ポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も伝える「ツー・サイドメッセージ」を意識していきたいですね。
まとめ
という形で、ネガティブ情報を伝えるメリットをまとめていきました。
- 聞き手の警戒心が柔らぐ
- 相手からの信頼が増す
- 悲観的な物言いの方が理性的に見られやすい
- 好意的に評価してもらいやすい
の4つのメリットがあり、ネガティブな情報もポジティブな情報と合わせて伝える「ツー・サイドメッセージ」がいいのではないかという話でした。
次回は以下の記事で、ポジティブ情報とネガティブ情報の効果的な使い方について見ていきたいと思います。
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